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電車の中での短い出会い
mikami252 投稿 - 2013/03/22 更新 - 2013/03/22 0 Comments 370 Views
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電車の空席に 降りる影
その人は うなだれていた 涙を流す
僕と目が合って 下を向く
その人は また泣いた 声をあげず

雲が歩っている 空が淀んでいる
車輪が歌っている あなたの涙と一緒に

 大きな音も 小さな音も
 僕の耳には聞こえなかった
 無限爆弾のように僕の心臓が叫ぶだけ

電車の窓ガラス 映る雨
あなたは うなだれていた 涙を流す
不意に顔を上げ 僕を見る
僕は 突然のことに 下を向いた

雲が走っている 空が濁っている
車輪が歌っている 僕の心臓と一緒に

 昨日のことも 明日のことも
 僕の胸には何もなかった
 電車の揺れのように僕の心が跳ねるだけ


あなたが そこに現れたこと
あなたが そこに座ったこと
あなたが そこで泣いてること
あなたが 僕を揺らしてること

 大きな音も 小さな音も
 僕の耳には聞こえなかった
 無限爆弾のように僕の心臓が叫ぶだけ

 
 昨日のことも 明日のことも
 僕の胸には何もなかった
 電車の揺れのように僕の心が跳ねるだけ

 
 ただ跳ねるだけ ただ揺れるだけ ただ叫ぶだけ
 音も出さずに雨に砕かれて消えただけ

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