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曲はありません、動画もありません
退会済み 投稿 - 2012/11/04 更新 - 2012/11/04 0 Comments 354 Views
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いらないものを流し終えて洪水が乾いた丘では
木偶(でく)になれた選民の輪が素知らぬ顔で傘を焼く

羽を省かれた鳥たちと鳥を省かれた羽たちが
図形に戻った文字を連れ「そら」と呼ばれてた場を飛ぶ

犯してた人も犯された人も同じ水が洗った

もう覚えない そして
もう感じることもない
ただ穴のように浮かぶ、「あお」と呼ばれてた色
見上げてる

「仕損じた土くれを残し神はその御身(おんみ)だけ流された」
繰り返す語り部の声は耳をなくして風になる

広場の中心に重なる、目的を解かれた機械の
干からびた数の輪の上で秒針の亡霊が舞う

汚してた罪も汚された罪も同じ底を潜(くぐ)った

もう数えない そして
もう積んでくこともない
ただ砂に埋もれ朽ちる、時の殻を拾って
かざし見る

左に過(よ)ぎった一団が、前に居て、抜けば、また前に
逆さに覗いた遠眼鏡 筒の中には天の川

全てを絶対ですりかえ、身を退(ひ)いた緯度を抱く経度
あぶり出しの数多(あまた)の地図にそっと滲んでゆく“はずれ”

負わせてた傷も負わされた傷も同じ塩に漬かった

もう離れない そして
もう寄り添うこともない
ただ山の上に傾(かし)ぐ、皆(みな)を乗せていた船
眺めやる

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