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退会済み 投稿 - 2011/06/03 更新 - 2011/11/20 2 Comments 330 Views
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あし
すね
もも
はら

追憶は愛の司法解剖
死んだ理由を探れはしても
生き返らせることはできない
できないよ

ただいたずらに刻むだけ
そうなるほかはなかった訳を
見るためだけに刻み続ける
刻んでく

脂にまみれて駄目になってく
メスをそれでもまた取り替えて
生き返ること かなわぬむくろ
刻むだけ

こないミシンを待ちわびて
立ち枯れていく 傘の骨組み
朽ち果てていく バラバラになる
壊れてく

へそ
むね
かた
くび

2 Comments

321hiroshi321hiroshi
2011/06/13
こんばんわ。

>追憶は愛の司法解剖
 ここが凄く複雑性があり好きです。
司法解剖ということは、何か犯罪性な事件に巻き込まれたのかなと、そう思ってしまいました。

しかし主人公の立ち位置や、ミシン、傘の骨組みなど、どういう意味があるんだろうという表現や言葉もありました。

それだけ深い詞ということですね^^
それでは!
退会済み
2011/06/18
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コメントありがとうございます。

書いた私としては、この詞に複雑性・犯罪性・深さは無いと思っています。主人公の立ち位置は、恋人に捨てられた人というものです。去っていった恋人のことをいつまでもウジウジ思い返している自分の姿がまるで死んだ愛を司法解剖している検死官みたいだと嘆いています。これは失恋を嘆いている歌です。

ミシン、傘の骨組みは、「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の出会いのように美しい」という言葉をもじった表現です。解剖のたとえを出した流れでこの表現が出て来ています。

文章で書くとこういう意味です。

あぁ、あの人の足、あの人のスネ、あの人の腿、……。今日もまた去っていったあの人のことをウジウジ思い返しています。そうやって追憶ばかり繰り返している自分は、まるで死んでしまった愛を司法解剖している検死官のようだと感じます。思い返せば思い返す程、あの愛の死ぬのが必定だったことをいやというほど思い知らされるだけなのに。司法解剖というのは、医学的知識を持った者がメスを使って行うという点では通常の医師が行う手術と似ていますが、手術が人の健康を回復させたり死にかけた者を蘇生させたりするのに対して、司法解剖は死んだ理由を解き明かすのが関の山で、生き返らせることなどできはしないのです。私が望んでいるのはあの愛を蘇生させることなのですけどね。今日もまたあの人を思い出します。思い出してみても、あの人が去っていった理由がより明瞭になるだけなのに、無為に回想を繰り返します。刃物は脂にまみれると切れ味が落ちますね。解剖のメスも途中で何度も取り替えたりするのでしょうか。私の記憶の中のあの人のイメージも、何度も思い返しているうちに、だんだんにじんでぼやけて来た感じがします。それでもまた思い出してしまうのです。解剖といえば、「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の出会いのように美しい」なんていう詩句もありましたね。私とあの人との関係も、そのような、いささか不似合いな取り合わせで、でもそれゆえに美しいものだったような気がします。「だった」と過去形で言うしかないのが悲しいのですが。あの詩句をもじって言うならば、今の私は、戻ってこないミシンを待ちわびて立ち枯れていく傘といったところでしょうか。寂しさに耐えかねて、この傘の骨組みは今にもバラバラになりそうです。あぁ、あの人のヘソ、あの人の胸、あの人の肩……。
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