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知らずに育つ
asakist 投稿 - 2024/09/04 更新 - 2024/09/04 0 Comments 39 Views
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孤独だけが
私に添う
心だけが
私を裂く

この眼が看取る
名も知らぬ花
忘れなければ
在り続けるか

生という神罰
死へ向かう幸福
世界とは病室
寝返りも打てぬまま
息を乞う心臓

無機質な包みに
手も足も塞がれ
人という病理に
産まれ落ち老いるまで
苦しみに臥すのみ


心だけが
私に有る
孤独だけが
私を発つ

新たに芽吹く
名も知らぬ花
この私など
知らずに育つ

生きるとは正しく
正しきは美であり
それならば何故死は
こんなにも馨しく
耳朶に美を囁く

寝台の頭上に
汚れなき天井
でも空の蒼さを
陽の赤を隠すのが
優しさと云うのか

生という神罰
死へ向かう幸福
命とは病巣
輝ける腐蝕へと
止まりだす心臓

どこまでも蔓延り
なによりも醜い
人という病痾に
産まれ落ち終わるまで
苦しみに喘ごう
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