新規登録 ログイン
どうして自由を捨てて社会的生物を始めてしまったのか、自分でも未だにさっぱり分からない。
kabocha0230 投稿 - 2022/12/13 更新 - 2022/12/13 0 Comments 169 Views
good投票
まだこの作品をgoodと言った人はいません
決意のつもりだった
不慣れに伸ばした手
洗面所泡立つ石鹸の灰色の濁り

そこに溶けているのは
きっと溢れて止めどない
僕の愚かさだと思った

昔は違っていた
生きていない物のように
揺られるまま転がるまま

生きることさえ知らない自由が
心地よい日陰のままなら良かった
ある日差してしまった光が

瞬きのたびまばゆくなった
街並みが何かを成す様
その一部になりたいと願い
僕はただの人間になった
秒刻み膨らむ輪郭を
こそぎ落とすほど目が眩んだ
過去を恥じる成れの果ては
紛れもなく人間になった

街並みはまばゆいまま
命が腐る臭いを湛える
手のひらは分厚くなった
嫌なことを遠ざけるように

揺れては転び 転べばひしゃげ
剥離から焦燥がこぼれる頃
何者でもないことに惑う
僕はただの人間だった
やつれ戻らない輪郭は
手遅れになった陰ばかり
過去を悔いる成れの果てが
どうしようもなく人間だった

瞬きのたびまばゆくなった
街並みが何かを成す様
その一部になりたいと願い
僕はただの人間になった
やつれ戻らない輪郭は
まばゆさに酔った罰だった
戻らない日陰のまどろみを
抱えた膝の隙間に探す
僕はただの人間になった
タグ :
[ 編集 ]

0 Comments

Add a comment - 1000文字以内でご入力下さい。HTMLタグは使えません。
コメントを投稿するにはログインして下さい。初めての方は無料のユーザー登録を行って下さい。
ログイン 新規登録