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どうして自由を捨てて社会的生物を始めてしまったのか、自分でも未だにさっぱり分からない。
kabocha0230 投稿 - 2022/12/13 更新 - 2022/12/13 0 Comments 0 Views
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決意のつもりだった
不慣れに伸ばした手
洗面所泡立つ石鹸の灰色の濁り

そこに溶けているのは
きっと溢れて止めどない
僕の愚かさだと思った

昔は違っていた
生きていない物のように
揺られるまま転がるまま

生きることさえ知らない自由が
心地よい日陰のままなら良かった
ある日差してしまった光が

瞬きのたびまばゆくなった
街並みが何かを成す様
その一部になりたいと願い
僕はただの人間になった
秒刻み膨らむ輪郭を
こそぎ落とすほど目が眩んだ
過去を恥じる成れの果ては
紛れもなく人間になった

街並みはまばゆいまま
命が腐る臭いを湛える
手のひらは分厚くなった
嫌なことを遠ざけるように

揺れては転び 転べばひしゃげ
剥離から焦燥がこぼれる頃
何者でもないことに惑う
僕はただの人間だった
やつれ戻らない輪郭は
手遅れになった陰ばかり
過去を悔いる成れの果てが
どうしようもなく人間だった

瞬きのたびまばゆくなった
街並みが何かを成す様
その一部になりたいと願い
僕はただの人間になった
やつれ戻らない輪郭は
まばゆさに酔った罰だった
戻らない日陰のまどろみを
抱えた膝の隙間に探す
僕はただの人間になった
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