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20210623公開
febell 投稿 - 2021/04/17 更新 - 2021/09/20 0 Comments 61 Views
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経験を書き込む余白が無くなって
知れないところから拾ったり出来なくて
奪い取って使えるわけでもなくて
自分の中から 作らなきゃいけないなんて

刺激を重ねていくと 撫で合う様(さま)となり
いたわってるようでそれは違うはずなんだけど
親が子供を嗜めているみたいで
「見下されている」と思うようになったら 終わりだ

狂人が寝る心室で 喉元を掻っ切ってやろうとして
息を潜めて接近したら それは確かにいつかの僕だった
これは僕が目指した場所か 確かに視た未来だったのか
答えの出せない問題を 散々生み出し押し付けたまま

狂人は眠り続けている 狂人は眠り続けている


延々と不安を振り払いながら
お決まりのように愛を囁いたから
言葉に形は取り繕えるのに
知らないものは 満たせることができない

解説書(レシピ)のない人生だ 頭で分かっていても
誰とも合わない本能が全部拒んでいるんだ
背中を必死に追いかけていきながら
「同じになれない」と気づいてしまって 泣くんだ

同じものはふたつもいらないって 捨てられた

ボクが受けとった朝は 落胆の眼差しを注がれて
だったら全てを放棄して 名前すら付けて欲しくなかった
くだらぬ痛みと恫喝が ボクが僕としてなる前に
壊れて壊れて壊れたら 自ら生み出して守るしかない 



頼らない 求めない 願わない 祈らない
奪わない 殺さない 厭わない 諦めない



狂人が寝る心室で 喉元を掻っ切ってやろうとして
息を潜めて接近したら それは確かにいつかの僕だった
十九歳の 僕だった

僕が受け取った朝は 微かな賛歌が流れてて
静寂という名の祝福がすぐそばに立っていたんだ
十九歳の狂人よ 今はどんな夢を視てるの
慰めも感謝も受け取らず 眠りを選択し続ける者よ




*心室  心の中の部屋 として記している
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