作詞コミュニティ Gunjo Lyrics

早く大人になりたくて、カレンダーに×(ばつ)した十の春。
大人になるのが怖くて、廃れ燻んでいた高三の夏。
大人でいるのが辛くて、酒や煙を愛した四十の秋。
早く大人を辞めたくて、縄遊びしていた傘寿の冬。

結局独りでいるのが寂しくて、1Kの隅で丸まった。
隙間を無くして暖房してもいくら着込んでもブルブル震える。

どうして今まで生きたのか。
どうして独りになったのか。
どうして居なくなったのか。
どうして死にたくなったのか。

わからない。

僕の方位磁針はどこだ。
今までみんなと歩いていたのに
気づけば社会のどこかで迷子なんだよ。

僕がはぐれしまったのか、みんなが離れていったのか
そんなのどうでもいいんだよ。
歩き疲れた僕に言って欲しい
「こっちにおいでよ」ってな。


昨日の続きが怖くて、二度寝三度寝していたあの日の朝。
今を知るのが怖くて、惰眠し続けていたあの日の昼。
明日が来るのが怖くて、ゲームに逃げていったあの日の暮れ。
みんなの視線が怖くて、堕ちることを決めたあの日の夜。

それでも暗いとこが怖くて、薄いカーテンを開けた。
向かいの明かりで人の影が獣に見えて
高い笑い声が雄叫びに聞こえて
隙間を無くして布団かぶっても耳を塞いでもガンガン響く。

いつから怖くなったのか。
いつから独りになったのか
いつから嫌いになったのか。
いつから弱くなったのか。

思い出せない。

僕の矯正器具はどこだ。
今まで同じ形だったのに
気づけば社会の型に嵌まんないよ。

僕が歪んでしまったのか、みんなが変わっていったのか
そんなのどうでもいいんだよ。
凹んだ僕に言って欲しい
「そのままでも好きだよ」ってな。


生きる意味とか、死にたくない訳とか
昨日の後悔とか、明日の生き方とか
宿題に出されていないのに
毎日考えてグズグズ生きてる。笑えよ。

ああ

誰かの心臓になって、誰かのために生きたいな。
誰かの手足になって、誰かの役に立ちたいな。
誰かの目玉になって、誰かの景色を見たいな。
誰かの声に乗せて、この気持ちを飛ばしてみたいな。

できない。

誰かって誰だよ。
自分のために生きて、走って、見て、叫べ。

僕の証明書はどこだ。
これまでに生きた証が欲しくて
これまで必死に生きてきた。

僕は愛されたかったんだ。みんなに愛されたかったんだ。
みんなに知って欲しいんだよ。
走り出した僕から言うよ
「僕は強い人間だ」ってな。

愛すべきみんなに言うよ
「僕はここにいるから」
「これからもよろしく」ってな。

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