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隠し事は長続きしない。早く暴露した方が救われます。
kayuma 投稿 - 2020/09/27 更新 - 2021/05/19 0 Comments 181 Views
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 なおは、しげみに二度にわたり、頬をビンタされた仕返しと
いうよりも、しげみの「私は少年院出身よ。このことは誰にも
言うな。もしバレたら、お前を待ち伏せしてしばきあげるぞ」と
いう脅しに屈するのが悔しくて、担任に告げることにした。

 しかし、なお曰くしげみとは小学校のときの同級生だったが、
元々は友達のいないおとなしい勉強嫌いな子だったという。
 そんな子がワルをするのは、陰に男性がいて、その男性に
操られているに違いない。
 僕はしげみの真意を知りたくなった。

 それから二日後、しげみは自殺未遂をはかった。
 なんでも、しげみは公園で知り合った男性に脅されていたと
いうのである。
 しげみが公園の花をスケッチしていると、ある男性が
近づいてきて、さかんに「スケッチ上手いね。君が野花をスケッチ
すると、まるで本物の野花が飛び出てくるように見えるよ」
などと、褒めてくれたという。
 しげみは、すっかり気をよくしてその男性に誘われるままに
翌日も、公園で待ち合わせしたという。

 翌日、公園にいくとその男性はしげみを待っていて
いきなり握手をした。
 しげみにとっては、初めての体験だった。
「君は、画家になる才能がありそうだ」
 しげみにとって、その言葉は将来の指針になった。
 今まで、ほめられたこともなく、将来の夢などなかった
しげみにとっては、その言葉は天使の光のように、
しげみの心をさんさんと照らした。

 その男性と三回目の逢引きのとき、いきなりしげみを
抱きしめ「僕は君に、いや君の才能に一目ぼれした。
これから僕についてきてほしい」
 その言葉を鵜呑みにしたしげみに、その男は言った。
「しかし、そのためには五万円必要である。
 君には友達がいるか? もしいるなら、本当の友達か
どうか、試す必要がある」
 しげみは、なおのことを自分の唯一の友達だと思っていた。
 だから、試してみたいと思ったという。

 
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