空を占める幻 光る時を求めて
夢路をただ彷徨う 閉じた月の楽園
炉端に舞う木漏れ日 ひとつ灯る祈りと
一度きりの微笑みに すがる夏の囁き
踊るように 囀り合い
恋焦がれて 近付いても
その火照りをやがて人は忘れ
迫る数多の星
揺れる二羽の運命が この手を離れてゆく
炎に似た翼で
けぶる記憶の果て
朽ちて消える全てこそ 私のあえかなもの
夢が誘う楽園
咽ぶ子供のように
犇めく歌のように
束ねた愛おしさごと すがる夏の光年
結ぶように 口接け合い
諭すように かき抱いても
その鎖をやがて人は忘れ
眠る孤独の星
永遠(とわ)の銀の回廊に 留まること忘れて
今は無垢の刹那を
花の帳の檻
朽ちて消える全てこそ 私の妙(たえ)なるもの
青く燃えたオリオン
巡る真綿の月
絶えず遠(とお)の輪唱が
この胸を染めてゆく
夢と消えた楽園
揺れて消える全て
果てて消える全て
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