今しがた君が払えなかった おぞましい何かの残滓を
電話越しに溶かし落とすことは出来ないから 相槌を打つだけ
泡のように湧く幸福を割りながら 意見も共感も努めて排す
しゃくりあげる声はやがて尽きて 聞こえてくるノイズ 時計の音
大好きだよ 破り捨てた それは呪いだから
君の心に 触れられなくても 見ているだけで良い
何もかも飲み込んで生きるには ただ 弱すぎるでしょう
「大丈夫 なんでもないよ」 ありがちな言葉が喀血の苦しさに聞こえた
救いたくなってしまったんだ
君の歌が波打つ部屋で 震えた心は蠢動でしかない
笑顔の数だけ怯えるから 歌に満たされていた
君の望みは幸せじゃなく 齟齬をきたさないこと
感覚器の地雷元に脚を奪われて
今日も電話をくれるだろう それを待ってしまう
肯定も 受容も 不干渉も 欠けた心を埋めない
何もかも飲み込んで生きるには ただ 弱すぎるでしょう
「大丈夫 なんでもないよ」 ありがちな言葉が喀血の苦しさに聞こえた
救いたくなってしまったんだ 愚かにも
2 Comments
2020/02/24
読めるだけ読まして頂きます。ありがとう!
2020/03/09
うわあ沢山コメントありがとうございます!とても嬉しい
お返事遅くなってすみません。楽しんでいただけたかなあ。本当にありがとうございます(´ω`)