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utsusemi 投稿 - 2019/07/19 更新 - 2019/07/21 4 Comments 340 Views
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tamayama3baba

束の間の夏の訪れを悟っては
鬱蒼と陰を落とす心を閉じた

逆行がどんなに残酷か解っていても
今だけは感傷に触れて

麦わら帽子 風鈴の音 陽に向かい咲く向日葵

呆気なく通り過ぎた夕立に たくさんの物語を奪われて
仕方ないねと置き去る人達を 見送ってそっと掬う
遣る瀬なさよ

大人へ近づく高鳴りも 今となればただ虚しく


蓋を開けてしまった
魔法はいとも容易く解けて

蝉時雨 誰かの手 ひこうき雲 文字に起こしても帰れぬ情景

こんなに今が空っぽなのは 日に日に美化される青さがあるから
無知と引き換えに手にした自由が 苦しみとも標せる
遣る瀬なさよ


たとえ巻き戻せたとしても別世界で 今年も写真を見返し泣くのでしょう
それでも絶えず思いを馳せる夏に 続きを書き連ねてしまう
遣る瀬なさよ
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4 Comments

babababa
2019/07/19
この遣る瀬なさ。ただただ素敵です☆
ファビュラス♡でございます☆
utsusemiutsusemi
2019/07/19
>babaさん

風物詩として語感を意識して綴ったものなので、とても嬉しい限りです。また、再び自分の作品に目を通して頂けたこと、評価して頂いたこと、感無量です。

感想ともに評価、ありがとうございました。
tamayama3tamayama3
2019/07/20
麦わら帽子 風鈴の音 陽に向かい咲く向日葵
蝉時雨 誰かの手 ひこうき雲

文字を目にするだけで、それぞれの夏の匂いを思い浮かべるような言葉達。
「風物詩として語感を意識して綴った」とのコメに納得です。
懐かしさと切なさは何故かいつもセットでやってくるノスタルジー。
とても好きな作品です。
utsusemiutsusemi
2019/07/21
>玉山さん

この時期になるとどうしても幼少期の頃の懐かしさというものを思い出してしまい、その切なさを夏に関連づける事を重点に置きました。核となる表現を取り上げて頂いて嬉しい限りです。

また、自分は夏の情景を表現した作品が好きなので、こうして同じように「好き」という言葉を頂けただけで頭が下がる思いです。

貴重な感想、励みになりました。評価ともにありがとうございました。
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