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私は私を辞めさせていただきます。「いたがっておりました」どちらでもお好きな漢字をあてはめて読んでいただきたいです。
asakist 投稿 - 2010/07/10 更新 - 2011/11/20 2 Comments 281 Views
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kazumi_yuu
(Aメロ)
拝啓 お父様
貴方の不出来なお子様は
世間の空白に犯され
壊れてしまいました

意味ない 悶絶も
時には優しい揺り籠で
安堵の品格を捨て去り
のたうっておりました

(Bメロ)
私は弱い人でした
私は弱い人でした
私は弱い人でした
もうじき卒業いたします

(サビ)
この侘しさが誰にでなく
私自身に届いてほしい
目には見えない心の底
投げつけた声は
留まるのでしょうか

(Aメロ)
拝啓 お母様
貴方の孕んだお子様は
命の乱雑に汚され
砕けてしまいました

欠けては 満ちるだけ
月さえ嘲る日陰者
居場所を求めては躓き
いたがっておりました

(Bメロ)
私は脆い人でした
私は脆い人でした
私は脆い人でした
もうじき崩壊いたします

(サビ)
この切なさが虚実でなく
私自身であるならいいと
ただ世界には真実など
生と死の前に
清らかなのですか

(Aメロ)
拝啓 ご両親
二人の期待のわたくしは
何かをするでなく終わった
廃人でありました

(サビ)
この一生が認められて
生きた証が残るだなんて
思いたくないそれほどまで
恥だけで埋まる
人生なのでした

この生涯は他でもなく
私自身を狂わせ続け
元の素顔さえおぼろげなまま
ぎこちなく生きる
人生なのでした

さようなら 敬具
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2 Comments

kazumi_yuukazumi_yuu
2010/07/10
こんばんわ、和海悠と申します。
ネガティブな詞でタイトルもまんまなのですが、詞のはき捨てるようで強い敬語口調、その雰囲気、言葉選びとあわさってなんとも絶妙な詞です。浮かんだのは太宰治の人間失格。何かに陶酔しているような小説的描写と、客観的に自分を捉えるBメロ、サビの問いかけ、すべてにおいて僕の好みでした。・・・という感想を抱きました。ありがとうございました。
asakistasakist
2010/07/11
和海悠さん
こんばんわ。コメントありがとうございます。
返信遅くなって申し訳ないです。

>浮かんだのは太宰治の人間失格。

ふむ・・・。ふむふむなるほど・・・。
なるほどです。言われてから作品を見直してみたら、
傀儡のイメージはなくともなんとなく太宰治さんの「人間失格」を思わせますねー。気付かなかったw
よし、後付けながら、こちらの作品は太宰さんオマージュの作品という風に言わせていただきますw

>客観的に自分を捉えるBメロ

「私は」という主観的な言葉から入りつつも、
客観性をほのめかそうという試みが伝わってもらえて
なんとも嬉しい限りです。
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