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ストーリー:父の形見のオルゴールが繋ぐ3代に渡る物語です。受け取る自分と渡す自分の気持ちを書いています。
退会済み 投稿 - 2019/05/02 更新 - 2019/05/05 1 Comments 148 Views
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(かお)
表情のないあなたの手を取り
線路の上を歩いた
ゼンマイ仕掛けの記憶の中
汽笛の音が響いた

「もう行くの?」って聞いたら
「また会えるよ」って言うから
僕はその手を離した
押し寄せる不安の中
渡されたオルゴールのネジを回して
僕はその日を夢見たんだ

この寂しさをどう伝えればいいの
誰に言えばいいかもわからない
この広い世界に僕だけを置いて行かないで
届かない叫びを残して
汽車は煙の向こうへ消えていく
儚い音色が足元の雪を溶かしている

座っているあなたに声かけ
手を繋いで歩いた
ゼンマイ仕掛けの白砂の中
君の足跡が伸びてく

「なぜ泣くの?」って聞くから
「何故だろうね」って答えた後
僕はその手を離した
窓越しの君を見つめ
握らせたオルゴールのネジを指差し
僕は目を閉じて祈った

この声援がどうか聞こえますように
誰でもない 君だけに遺していく
この広い世界に
君だけを置いて行かないよ
届かない願いを運んで
汽車は向こうの世界へ進んでく
確かな音色が君の足元を照らしてくれる


「すぐ会えたろ?」って言うから
「すぐ会えたね。」って笑って
僕はその手を握りしめた
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1 Comments

退会済み
2019/05/05
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