死んでしまった人ともう一度話せたらいいのに…。でもそんなことはできないから、生きている今を大切にしなければいけないんですよね。多分。

haribisaban 投稿 - 2010/12/15 更新 - 2011/11/20 2 Comments 439 Views

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（Ａ）
急に涼しくなってきた夏の
終わりに　出遅れたセミたちが慌てて
遅れを取り戻そうと　必死に鳴いている
転がった夏は　踏みつぶされていく

（Ｓ）
おい、おい、まだ逃げないでくれ
秋が来るには　早すぎるだろ
まだまだ　やり残したことが
俺にはいくつも　残っているんだ

（Ａ）
ヒグラシが鳴くどこか寂しい夕暮れは
この道を歩きながら　お前を思い出す
ふざけあって　転げた後に
照れて何も言えなくなった俺がいた

（Ｓ）
おい、おい、まだ消えないでくれ
朝が来るまでまだ　たっぷり時間はあるだろ
俺にはまだ　お前に言えてないことが
あるんだ、も少しだけ　いてくれないか

（Ｂ）
あれからもう　何年たったのだろうか
変わって行く。景色も、人も、時代も
お前は元気でやって行けてるか
倒れこんだ布団の上で　たまに思ってる

（Ｓ）
おい、おい、まだ行かないでくれ
朝日が差し込むように　お前は消えていく
腹を満たすだけの飯を流し込み
慌てて家を飛び出す。今日も生き延びるため

（Ｓ）
おい、おい、まだ消えないでくれ
お前にまだ言えてないことがあるんだ
おい、だから　まだ行かないでくれ
お前が生きててくれたら、言えたはずなのに…

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