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見たものは現実、その先は幻想。
nyori 投稿 - 2018/11/18 更新 - 2018/11/18 0 Comments 459 Views
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朝から降っている雨が
店の窓に当たり 雫が零れる
それを眺めてため息をこぼす
冷めかけた紅茶に吐息かけた

見てしまった事実は
ただの一瞬で
瞬きする間もなく 目を背けたから
私の知ってる予想図は
嘘と理想が混ざった
最悪の一つなのに

携帯にぶら下げた
ストラップをなぞる
ペアのベタな わかりやすいやつ
最近増えたことは知ってるし
君が密かに会ってるのも知ってる
ただね それは偶々かもしれない
そうねって 頷いて
空は見上げられない

店員さんが変わってく
机を拭いたり 表を掃いたり
それを眺めてため息を吐く
冷めきった紅茶を飲みほして

見てしまった事実は
ほんの一瞬で
呼吸も忘れて 走り出したから
私の描く未来図は
嘘と嫉妬が混ざった
汚い嫌味なんだ

カバンにぶら下がる
ストラップを撫でる
ペアのベタな あからさまなやつ
最近増えたのは知ってるし
君が楽しそうなのは言うまでもない
ただね それは錯覚かもしれない
そうねって笑いながら
友達と駄弁った

わかりきってる自分の醜さと
誰かに向けてる嘘とジェラシー
それは苦くて ちょっぴり冷たい
紅茶の香りで紛れてく

ポッケにしまってる
ストラップを指で触れる
ペア間の薄い そういうやつ
実は神社で買っちゃったんだ
君にさり気なく渡せたらいいな
でもね それは叶わないみたい
そうねって 頷いて
空は見上げられない

朝から降っていた雨は
明日の朝には止んでるみたい
外を眺めてため息飲み込む
空になったカップはひとつ
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