新規登録 ログイン
見たものは現実、その先は幻想。
nyori 投稿 - 2018/11/18 更新 - 2018/11/18 0 Comments 267 Views
good投票
まだこの作品をgoodと言った人はいません
朝から降っている雨が
店の窓に当たり 雫が零れる
それを眺めてため息をこぼす
冷めかけた紅茶に吐息かけた

見てしまった事実は
ただの一瞬で
瞬きする間もなく 目を背けたから
私の知ってる予想図は
嘘と理想が混ざった
最悪の一つなのに

携帯にぶら下げた
ストラップをなぞる
ペアのベタな わかりやすいやつ
最近増えたことは知ってるし
君が密かに会ってるのも知ってる
ただね それは偶々かもしれない
そうねって 頷いて
空は見上げられない

店員さんが変わってく
机を拭いたり 表を掃いたり
それを眺めてため息を吐く
冷めきった紅茶を飲みほして

見てしまった事実は
ほんの一瞬で
呼吸も忘れて 走り出したから
私の描く未来図は
嘘と嫉妬が混ざった
汚い嫌味なんだ

カバンにぶら下がる
ストラップを撫でる
ペアのベタな あからさまなやつ
最近増えたのは知ってるし
君が楽しそうなのは言うまでもない
ただね それは錯覚かもしれない
そうねって笑いながら
友達と駄弁った

わかりきってる自分の醜さと
誰かに向けてる嘘とジェラシー
それは苦くて ちょっぴり冷たい
紅茶の香りで紛れてく

ポッケにしまってる
ストラップを指で触れる
ペア間の薄い そういうやつ
実は神社で買っちゃったんだ
君にさり気なく渡せたらいいな
でもね それは叶わないみたい
そうねって 頷いて
空は見上げられない

朝から降っていた雨は
明日の朝には止んでるみたい
外を眺めてため息飲み込む
空になったカップはひとつ
タグ : [ 編集 ]

0 Comments

Add a comment - 1000文字以内でご入力下さい。HTMLタグは使えません。
コメントを投稿するにはログインして下さい。初めての方は無料のユーザー登録を行って下さい。
ログイン 新規登録