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だんだん遠くなる影をあなたと見ながら私は笑った
nyori 投稿 - 2018/10/13 更新 - 2018/10/13 0 Comments 230 Views
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あと一度 春が来たら
その季節を何気なく過ごして
暑くなった頃に蒸し返して
きっと寂しさに溺れる

歩幅が少し狭くなって
下を向く回数が多くなってきて
その辺の小さなくぼみに
躓いて転ぶ日常

横目で見つめる そのとぼけた顔
まだ見られるうちは幸せだね
雲一つない空に叫んだ

もう少しだけ
"そばにいたい"そんな想い
1mm以下でも伝わればいいのに
まだ会える距離
だけど少し伸びた影を見送り
ただ笑う
隣にいるあなたが
心配そうに微笑んだから
「大丈夫」と小さく言った

風そよぐ街並みを
電車が切り取って過ぎていく
一人きりの時間

この景色に別れを告げ
二度ともう来ないだろう
口を噤んだ

目を閉じるだけで 蘇る記憶
忘れようとしても無駄なんだね
月明かりの空の下に喚いた

あと少しだけ
"そばにいさせて"そんな願い
叶わなくてもいいから そこにいて
まだ会える距離
だけどそれはもう昔の話
ただ笑う
隣にいるあなたが
楽しそうに歩くから
それに合わせた

最後だからって何も変わらない
会えなくても消せないアドレス
君と撮った写真 もらったもの全部
全部…

もう少しだけ
こうして話していたいけれど
君は笑って言ってしまうの
まだ手を伸ばしてみたら
届く距離を見つめて
ただ笑う
隣にいないあなたはきっと
「いいことあった?」
と不機嫌に笑う
「ナイショ」と笑ったのなら今日という日が幸せで
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