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失うわけにはいかない この喪失でさえ
自分を形作ったものとして 付き合うなら
希望や夢や光なんて 吐きたくもない
それよりも根強い何かを探している
秋風では薙ぎ払えない残暑を浴びては
育ちゆく自己嫌悪を今日も踏み潰した
時に明日が 空虚にて迎えられないと
うなされて 疲弊した明日を幾度も迎えた
信じたものが真逆に刃物を突き立てぬよう
過ちも全て肯定していく他はなくて
離脱しそびれたら 生きるだけの一本道
甘い後悔を啜る自慰に 生き甲斐と名付けるな
どうせ収束するのだ 誇り高き場所へ
そこで立つべき命こそ 喪失への報いだろう
なんてさ 強がるほどの 天邪鬼な季節だ
空蝉のような詩を書き 焚き火にくべて
実のところ 心に這う弱虫を追い出すのに精一杯で
それでも暮れゆく陽が 影を伸ばす限り
切り離せないものに従い 明日を下待つ夜長
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