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この涙は私じゃない誰かのために
nyori 投稿 - 2018/10/08 更新 - 2018/10/08 0 Comments 198 Views
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月明かりが頬を照らす
伝う雫が机を彩る
誰かが私に語りかける
「あなたは泣いているのですね」
かぶりを振って優しく言った
「これは私が
代わりに泣いているのです」
だのに 私は悲しい

満ちては欠ける月と同じ
私の想いも やがて欠ける
満ち筋もないから やり場なく
ただただ誰かを照らす月

月明かりが煌々と
溢れる涙は止まるを知らず
誰かが私に寄り添った
「二人の方が温かいから」
かぶりを振って優しく言った
「ならばあなたも
私と共に泣きましょう?」
月の代わりに泣きましょう

物言わぬ望月
二人を照らし 何思う?
その明かりが哀しくて 恋しくて
切なくて
流した光が海となり
さざ波が私を攫うまで
ここで独り泣き濡れる
それは余りに冷め冷めとして

物言わぬ望月
二人を照らし 何思う?
授かるものは重すぎて 苦しくて
愛おしい
流した想いが闇となり
悪魔が私を捕らえるまで
ここで独り泣き濡れる
それは余りに冷め冷めとして

月明かりが頬を染める
伝う雫が袖を濡らした
いつか誰かは去っていて
月になって歩き出す
湿った砂地の上を
月明かりに照らされながら
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