ろくに歩けず ろくに笑えず
ほんとはここまできたの
赤い果実の うるむ笑顔で
血の光度を だましたの
昼間のそらは 眩しいけれど
ほんとうに好きでね
だけど誰の顔も よく見える
それが誇るほどこわいもの
とらうまさん 聞こえてる?
お付き合いして何年目かな
記念日すら覚えてないけれど
とらうまさん 僕のこと
本当は大好きなんでしょう
やけにくっついてくるものね
洗っても洗っても
ろくに聞こえず ろくに喋れず
ほんとはここまできたの
持ち札を捨て 声をひしゃげて
命よ黙れと ないた
とらうまさん 心って
体のなかでいちばん深く
呼吸してるところなんだね
とらうまさん 僕のこと
いつかきっと見逃してね
なんて思ってる弱気な僕を
今日も見逃してくれないね
ろくに愛さず ろくに愛せず
ほんとにここまできたの?
これだけ生きた ほんのすこしを
どうか本物だと言わせてね
4 Comments
2018/08/04
話しかけるような感じがどことなく柔らかく、切ない感じが出るんですかね。
洗っても 洗ってもの部分もちょっと狂気的な感じがしていいですね。
最後の一連も。沁みました。
2018/08/04
あれさえなければって、恨み続けるのもつらいしね。
擬人化ネタとしては面白い気がしました。
2018/08/05
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2018/08/05
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