君はまるで秘め事みたいに
僕の名前を囁いた
見知らぬ匂いと遠い瞳
外の喧騒がやけに煩くて
半透明の袋の中には
サイダーと煙草みたいな箱
6Fを押す人差し指が
次に触れる色を予想した
共犯という免罪符を
買い付ける大人たち
好きでも嫌いでもないものを
食べるみたいな感覚で
君はまるで人混みに揺れる
夏の交差点の幽霊
見染めた影を道連れにした
街のカラフルがやけに色褪せて
糖分と水分を摂取して
苦さを吐き出した午後の部屋
曖昧を乞う人差し指が
僕に触れる色は
君はまるで蝋燭みたいに
僕の名前を灯すんだ
見据えた今を焦げ跡にした
胸の静まりがやけに苦しくて
君はまるで恋人みたいに
僕の名前を囁いた
見知らぬ想いと言えぬ名前
煙を巻いていくつかの
吐息に変わるだけ
10 Comments
2018/05/02
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紡がれる言葉遊びが巧みで、
色とりどりで華やかな映画みたいです(^^)
上手いなぁと、ただ感心してしまいました。
2018/05/02
過剰包装のおかげで、妄想爆発の面白さもプラスですね。
2018/05/02
オブラートに包みながらも、6Fなどリアルな情景が逆にグッときます。
続きを残すような終わり方もいいですね。
2018/05/04
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2018/05/05
過剰包装から滲み出る生々しさが非常に良かったです。
2018/05/05
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2018/05/05
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2018/05/05
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2018/05/12
2018/05/13
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