冥冥 花序の廓の中へ
孤独の輪で眠る 君は
花明り 鳴かずの蒼の鳥
榊の枝葉のように
社(やしろ)の奥で手招く
此処は同花寄る辺の舟
震える身体に触れるその手
睦言の一つ交わさぬまま
古の奇形を孕んだまま
冥冥 花序の廓の中へ
孤独の輪で眠る 君は
花明り 鳴かずの蒼の鳥
誉れの美禄のように
筵(むしろ)の針をまさぐる
今はどうか寄る辺の胸
黒き焼香に触れる般若の手
宵越しの君は泣いたまま
古の愚計は淀んだまま
メエメエ 宿る寿ぎの歌
蠱毒の血が襲う 君は
煙々羅 鬼門ゆけば鳥居
君と僕は同じもの
那由多の彼方まで
メエメエ 世継形代集え
この世は銀籠り 僕は
五芒星 咲かずの曼珠沙華
冥冥 花序の廓を閉じて
急急如律令
冥冥→奥深くて遠いもの。暗く見分けられないもの
花序(かじょ)→花の配列状態。
廓(くるわ)→囲い
花明り→ 桜の花が満開で,周りの闇がほのかに明るく感じられること
美禄→酒の美称
寿ぎ(ことほぎ)→祝福すること。呪言とも書く。
蠱毒→蛇やムカデなど壺に詰め共食いさせて採取する毒
煙々羅(えんえんら)→人の顔の形に見える煙の妖怪
那由多→極めて大きい数字
形代(かたしろ)→呪詛の対象とする人形
曼珠沙華→花言葉「転生」「再会」
急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)→ 陰陽家などが魔を払う際に用いた呪文の結び。「急いで事を成せ」という命令句
5 Comments
2018/04/14
ワールドに圧倒されました。
まあ、僕では理解が追いつかないわけですが(笑)。
どことなくビジュアル的なのは、やっぱり絵をたしなむ方だからですかね。
2018/04/16
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2018/05/14
2018/05/15
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2018/05/15