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高一の時に描いた絵本のタイトルです。出来れば絵本の方を見て欲しいですが無理なので詞で。朝が来ない世界で水槽の少年へ月を採る話。
退会済み 投稿 - 2018/01/28 更新 - 2018/01/31 4 Comments 675 Views
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94rin_orta

ある日水たまりへ落ちた
音もなく世界が反転
置いてけぼりの傘は
私の帰りを待っている

蒼い夜 彗星のように
白く光る月だけが動かない
綺麗だと 君を見たとき
呼吸も忘れて思ったの

月に焦がれた少年は
瓶底で恋を飼っていた
誰もいない薄暗の部屋
此方を見て微笑んだ 夢のように



月の幻かと君は尋ねた
音もなく私に届く
いつのまにか知っていた
満ちては欠けるその名前だけ

誰も写らない写真立て
色のない玩具箱 針のない時計
きっと私が月を採むと
儚い笑顔に言ってしまったの

月に焦がれた少年に
涙の視界から手放した
玩具箱の硝子玉 少年の瞳に
君色の月だと嘘をついた



採むことなど出来はしないもの
手に入れるだけが恋ではないこと
少年は世界を許して呟く
ありがとうの欠片 涙のように


気がつけば空は晴れていた
夢でも見たような心地で
首を傾げ拾い上げた傘は
記憶の名前を教えない

ただなんとなく今夜は
綺麗な月が見えるだろうと
そんな気がしただけ





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4 Comments

nyorinyori
2018/01/28
綺麗な詞ですね。お話読みたくなっちゃいます!
退会済み
2018/01/29
Delete
うわーいノタさんコメントありがとうございます。ちょっとでも興味を持って頂けたならとっても嬉しいです °˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
sheep812sheep812
2018/01/29
とても綺麗な世界観ですね。「手に入れるだけが 恋ではないこと」。鳥肌が立ちました。
退会済み
2018/01/31
Delete
田嶋さんコメントありがとうございます〜!絵本の中では「届くのが恋なの?手に入れるだけが叶うこと?」という科白でした笑
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