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ほんとは私じゃない本当の「わたし」がいて
asakist 投稿 - 2024/07/29 更新 - 2024/07/29 0 Comments 72 Views
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足りない
満ち足りない
生きている
だけの身体

一滴
無臭無味の
劇毒を
舌の上へ

苦しむ裏腹
ときめく心臓
死の音が近づけば
墓場も踊り場

そうして
明ける日々に
夢の色
塗り重ねて

今宵も
出来上がった
渾身の
画帖の無駄

金にもならない
芸術こさえて
死ぬよりも怖いのは
この手が止むこと

筆踊らせて懈怠のイズム
いくら描こうとも
脳拗らせて痴態のシズム
私が見えない

この身体置き去って
心へと見初めたい


ほんとは
私じゃない
本当の
「わたし」がいて

誰もが
心打たれ
讃える絵
創れたなら

そんなの全然
芸術じゃないわ
他人様寄り添って
賞でも欲しいの?

皺深ませて時代のカズム
どうせ腐るなら
息弾ませて奇才のリズム
発生源たれ

筆踊らせて懈怠のイズム
何を描こうとも
脳拗らせて痴態のシズム
私を知りたい

完璧に不出来なる
心へと出逢いたい
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