少しだけ汗ばんで 昨日を思い浮かべた
さして違わないのに 憧れてしまうのはなぜ
窓の向こうの飛行機雲は 遠くにあるから光って
恋のような儚さで 胸を締め付けていく
夏の幻は そんな感覚に似ている
君に触れたときのような あの感覚
プラトンの哲学は 尊いものにも思えるけれど
私の手持ちの恋は どれも正しく在れない
砂粒をかき分けて やっと見つけた貝殻のような
あの綺麗さ、尊さが 私に問いかける
夏の幻は そんな感覚に似ている
君を見送るときのような あの感覚
絵に描いたような入道雲が
視界を覆い 通り雨を誘う
君の姿が蜃気楼のように揺れる
手を振るように
夏が終わっていく
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