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蛙の目借り時
春は隣
そんなふうに微睡
うつらつら
通りの鴇色
眺めていたのは
懐古するよりも先に
涙したから
淡く優しく
呼吸のように
芽吹く春
ねぇ
左手の先にあなた
それは幸せ
なんて一人言
呟いても
通り過ぎていく嵐
天気予報のように
他人事でいたい
真面目に考えるのに
少し疲れたから
淡く優しく
歩くような日々の
その平行線
ねぇ
見慣れた横顔が
特別なのは
その特等席は
私しかいなかった
そう思えたから
なんて
立ち止まり
振り返るたびに
感傷的な私
区切りをつけたい
春はもうそこまで
ねぇ
来たるべき季節の
その合間に
さよならしたのは
隣で光った
あの鴇色
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