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畳に残った染みが、
太腿の間からゆっくりと拡がる間に、
音を立てて背中が遠ざかっていく。
愛の行方。
頭へと響いた電気。
支えた壁の方へ崩れた体、握る手に、
力を入れて息を整えている。
愛の行方。
こんな私、なんか悲しい。
取り繕ってもどした衣服には、
愛の行方。
未だ、無し。
取り戻しても、捨てきれずに。
床のタイルを拭って綺麗にした後に、
故郷の思い出が蘇って、
何となく夕暮れが早いのを知る。
沢山のものを足してしまって
濾した愛の行方。
じわじわと溶けながら、追ってる。追ってる。
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