新規登録 ログイン
なし
sabrina_no_hana 投稿 - 2023/05/27 更新 - 2023/05/27 0 Comments 0 Views
good投票
まだこの作品をgoodと言った人はいません
深く 深く 腰据えて
「あの言葉の意味はなんでしたっけ?」と聞くと
老婆はにっこりと笑って
太陽に照らされるがまま
わたしの自意識をじっとりと舐めた
光りで何も見えなかったが
確かにそうした
田舎の光りだ
老婆の顔は
溶かされていたのか
焦がされていたのか
恍惚と快楽の境を失いつつも
その間(かん)を垂涎と行ったり来たりしていたのか
今となっては分からない
思い出そうとしても どうしても光りで消える
田舎の光りだ
あぁもうすぐそろそろ夏だというのに
突っ立った案山子 突っ立った案山子

緑は揺れるだけ 白らんだ青も張りついてるだけ
濡れた灰の黒も 奇をてらった花の桃も
其処に在るだけ
感心してしまうのは 光っているから
ただそれだけ 光っているから
田舎の光りだ
下水の匂いに顔を歪ませながら
歪ませていることに腹が立つ
理由(わけ)をきかせろ、おい。
あぁもうすぐそろそろ夏だというのに
突っ立った案山子 突っ立った案山子
まだまだ突っ立った案山子 なぜ突っ立った案山子
なぜ突っ立っている案山子
なにを突っ立っている案山子

田舎の光りに魅せられて案山子
魅せられても案山子
あぁただ案山子
タグ : [ 編集 ]

0 Comments

Add a comment - 1000文字以内でご入力下さい。HTMLタグは使えません。
コメントを投稿するにはログインして下さい。初めての方は無料のユーザー登録を行って下さい。
ログイン 新規登録