拝啓、お元気でいますか
こちらは相変わらずでいます
桜が咲いては、散っていく様を
ただ、眺めるだけの日々です
病室の窓から
季節の移ろいを感じては
ひとつ、またひとつと
言葉を認めています
花瓶の花々が、人知れず萎れる
与えすぎが原因って
納得いかないみたい
心臓が、脈打つことすら
普通ではないのです
それすら、分かり合えないのです
あなたの涙が
痛いほどに脈打って
よれたシーツみたいに
皺くちゃな表情
よく晴れたベンチに腰掛けて
果てしない空に恋焦がれて
どこかに逃してあげなければと
責め立ててしまう悪い癖を
誰かを愛すること
愛されることに、慣れない
言葉足らずでごめんね
ほんとは ほんとはね
心臓が、一つしかないのは
意地悪でしょうか
沢山あったら、それはそれで嫌でしょ
あなたと見つめ合い
抱き締め合うたびに
子どもみたいにはしゃいで
高鳴る鼓動が
なんだか私みたいで
笑ってしまったの
それと同時に、あなたも
脈打ち、重なる音
心臓が、脈打つことすら
もうないのかもしれない
そんなときも
そばにいて欲しいのです
あなたへのラブレター
一生懸命に綴ったの
私はもうそこにはいないけど
聴こえていますか
拝啓、お元気でいますか
「あなたを愛しています」
4 Comments
2022/03/17
2022/03/17
ありがとうございます。
いやーすごく嬉しいお言葉…もったいない限り…
ほんと"そんな感じ"を読んでくれた人が感じてくれたら嬉しいです!
いつもありがとうございます♪
2022/03/18
小田 奈桜さんがいうように、語尾が丁寧語あることの切なさ、自分も感じました。
>心臓が、一つしかないのは
>意地悪でしょうか
>沢山あったら、それはそれで嫌でしょ
この表現が個人的にとても好きです。
「手紙」だからこそ、余計読み手に訴えかけている詞だなと思いました。
Goodですね^^
2022/03/19
ありがとうございます。
丁寧語って使い方によっては切ないですよね。。
普段言えない気持ちを表すなら手紙は最適ですよね!
愛してますなんて中々言えないものです。