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天国に昇ったはずの 500年前の偉人が
一匹の白猫となって 見知らぬ都会に降り立った
見たことのない機械や 煙を吐く馬のいない馬車
夜だというのに 昼みたいに 星も見えないような明るさ
面喰って伸びていた偉人の尾を
おもむろに掴んだ 小さな掌
怯えた偉人をそっと抱いて
うれしそうに 走り出した 少年
光が行く 右へ左へ上へ下へ
存在も位置も呼吸の仕方も時間も方角も
狂ってしまった 進歩をしすぎて
天国に昇ったはずの 500年前の偉人が
可愛い捨て猫となって 見知らぬ少年の家にやって来た
食べたことのない料理や 人間が映る不思議な箱
子供だというのに 一人きりで 夕食を食べてお片付け
面喰って沈んでいた偉人の背を
おもむろに撫でた 小さな掌
見上げる偉人をギュッと抱いて
悲しそうに 泣き出した 少年
雫が伝う 頭から背中へ背中から尻尾へ
笑いも団欒も会話の仕方も愛情も温もりも
無くなってしまった 進歩をしたくて
少年は言った
「ママもパパもお仕事だから 仕方ないんだよ」
「僕のために働いてくれてるから しょうがないんだよ」
「遊べなくても 遊んでくれなくても ・・・」
「だから嬉しかったんだ 君に会えて」
「これからは もう 一人じゃないから」
「寝る時も ご飯の時も 遊ぶ時も」
少年が泣く 月曜と火曜と水曜と木曜
求めすぎて失われた大切なものは失くしてはいけないもので
それが無くなってしまった 前に進みたいがために
僕らがいる 便利機能のシステム世界
生活も連絡も告白の仕方も移動も料理も
楽になってしまった 進歩をしすぎて
失くしてしまった 大切な時間を
一匹の白猫となって 見知らぬ都会に降り立った
見たことのない機械や 煙を吐く馬のいない馬車
夜だというのに 昼みたいに 星も見えないような明るさ
面喰って伸びていた偉人の尾を
おもむろに掴んだ 小さな掌
怯えた偉人をそっと抱いて
うれしそうに 走り出した 少年
光が行く 右へ左へ上へ下へ
存在も位置も呼吸の仕方も時間も方角も
狂ってしまった 進歩をしすぎて
天国に昇ったはずの 500年前の偉人が
可愛い捨て猫となって 見知らぬ少年の家にやって来た
食べたことのない料理や 人間が映る不思議な箱
子供だというのに 一人きりで 夕食を食べてお片付け
面喰って沈んでいた偉人の背を
おもむろに撫でた 小さな掌
見上げる偉人をギュッと抱いて
悲しそうに 泣き出した 少年
雫が伝う 頭から背中へ背中から尻尾へ
笑いも団欒も会話の仕方も愛情も温もりも
無くなってしまった 進歩をしたくて
少年は言った
「ママもパパもお仕事だから 仕方ないんだよ」
「僕のために働いてくれてるから しょうがないんだよ」
「遊べなくても 遊んでくれなくても ・・・」
「だから嬉しかったんだ 君に会えて」
「これからは もう 一人じゃないから」
「寝る時も ご飯の時も 遊ぶ時も」
少年が泣く 月曜と火曜と水曜と木曜
求めすぎて失われた大切なものは失くしてはいけないもので
それが無くなってしまった 前に進みたいがために
僕らがいる 便利機能のシステム世界
生活も連絡も告白の仕方も移動も料理も
楽になってしまった 進歩をしすぎて
失くしてしまった 大切な時間を
2 Comments
2011/02/11
とてもいい詩だなと思いました。
未来ばっかりを気にせずに今も大切に生きなきゃいけないですよね。
勇気をもらいました^^
2011/02/12
ありがとうございます
自分の詞を良く思ってくれる人がいて、うれしいです
ありがとうございますした^^