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死んだ先には 何があるの?
そんなの 僕にもわからないよ。
ただ 消えつつある 眠る君の手を そっと握るよ。
憶えてますか?
お気に入りの 服を着ていたにもかかわらず
すんだ川の中に 一緒に入ったことを。
ビショビショ 足音立てて走り回った セミの鳴く 静かな真夏の午後。
見えていますか 僕のこと。
やせ細った手が かすかに汗で滲む。
瞳よ 乾かないでおくれ。
死んだ先には 何があるの?
大きな空?
大きな海?
そんなの 僕にもわからないよ。
ただ 認めたくないんだ。
呼吸を止めて キスをする。
寂しくないよ。
君がそばにいてくれるなら。
たとえ 触れなくても。
憶えてますか?
森の中迷い、泣きながら 一緒に歩いたことを。
優しい妖精が 僕に出口を教えてくれたのは 君には内緒。
カッコをつけさせて。
ねえ、また会える?
ああ、会えるさきっと。
だから 今は君の身体のそばで 眠らせて。
憶えてますか?
浜辺で 砂の城を 作ったことを。
いつか君に お城を建ててあげるって 言ったことを。
あの日の 笑顔をもう一度 見せておくれ。
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