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世の中を知る意味で、楽しみながら読んで頂けたら幸いです。
kayuma 投稿 - 2021/02/25 更新 - 2021/04/05 0 Comments 121 Views
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地元で知り合った高校二年に進級したばかりの男の子剛央(たかお)
これでフツーの高校生活を送れると安堵していたら
中学時代の同級生の おとなしめ女子だった由岐と再会
いつしか 恐喝のネタにされていた

なんでも由岐のカバンを持ってやったら
そのカバンに傷がついたといいがかりをつけ
五万円用意して持ってこいなどと
たかりゆすりまがいのことを 言ってきたのだ
剛央が断わると 由岐はいきなり剛央の頬に
ビンタをくわし
「私は少年院出よ。このことは誰にも言うな
もし警察にでも言ったら お前を待ち伏せして
しばきあげるぞ」

背景は読めている。
由岐のバックには 準アウトローのワル男が
控えているに違いない
最終的には売春が目的だが
いきなりそれをすると 警察沙汰になりかねない
だから恐喝をし 自分に罪責感と劣等感を植え付けさせ
私はダメな罪人 もう一般世間には戻れない
この罪を償うには 売春しか道がないと
絶望により堕落した精神を植え付けさせ
売春代をワル男がピンハネし
それを上納金として アウトローに納めるのだ

経済アウトローというが 学歴も知恵もなく
ITのハッカー能力も偽造能力もない
下っ端はオレオレ詐欺の受け子の如く
最も危険な顔のさす最前線に行かされ
女性を売春道に堕落させるという
以外に方法はない
狙われるのは 世間知らずで
非社交的で友達も相談相手もいない
由岐みたいな おとなしめタイプか
地方出身の学生と相場は決まっている

結局 由岐はワル男の情婦になっちまったという
古典的パターンの堕落道まっしぐら
絶望人生の入口に立ったばかりである

剛央は由岐を救いたいとも思うが
やはりアウトロー世界に巻き込まれそうで怖い
どうしたらいいんだろう

ふと剛央は 出店で知り合った女性の
キリスト教のブログ名刺を取り出してみた
「恐れるな。私はあなたと共にいる。
 たじろぐな。私はあなたを見捨てない」(聖書)
の御言葉が飛び込んできた。
私というのは神、あなたというのは自分を含めた人間
もしかして祈れば 神に届くのだろうか
剛央は思わず 手を組んで祈っていた
「神様。僕は由岐に恐喝まがいのことをされていますが
由岐もワル男の犠牲のなった不幸な子です。
どうかお救い下さい。アーメン」

 そのとき、剛央の脳裏に浮かんだのは、
破門アウトローだった。
 アウトローの世界を破門されるということは
看板のないフランチャイズ店と同じだという
 アウトローは代紋という金看板のなかで
金儲けができる。金看板を外されるということは
組から破門され、誰からも相手にされず
人間以下の人生しか待ち受けていないという。
 ひょっとして由岐につきまとっているのは
正当派アウトローではなく、破門アウトローでは
ないだろうか?
 ということは、怖くもなんともないタダの
オッサンでしかない筈。
 剛央はがぜん、勇気がわいてきた。


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