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小学校の頃の実体験に基づくフィクションです。
Represent_beyond1 投稿 - 2021/01/06 更新 - 2021/01/07 2 Comments 232 Views
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意外となってみると辛いもんなんだな
「何て事無いよ、心配させてごめん」なんてよく言えたもんだぜ
お前の事なんも分っちゃいなかったんだな、俺は

ただの友人、たまたま近所に住んでただけ
小中高と一緒だった、成績はいつも底辺をうろつく
時に夜中まで外出をして親に勘当された日もあった
そんな時はお互い土手で会ってなんやかんや他愛も無い話で盛り上がった

変わったのは大学受験の時、いつからか違った道で
お前は「やる事があるからここを離れる」その一言だけ俺に残して

その日以来だったろうか、お前との連絡が途絶えたのは
年賀状も気づけば送らずにお互いの様子は分からなくて
ふと思い出すあの場所を、よく語り合ったあの土手を
今日は寄って見よう、軽い気持ちで行った所に規制線

無機質な立ち入り禁止の文字
ざわざわしだす俺の心
突然鳴り出す携帯、お前がくれたメッセージ

『俺はもう疲れた』

後で全てが分かった
お前が俺から離れたのは
借金まみれの父親と家に毎日違う男を連れ込む母親に呆れてた事
給食や牛乳のおかわりをしていたのは
「お腹いっぱい食べたいから」

笑顔で言うお前に俺は何も気付いてやれなかった
土手でふとお前が呟いた「逃げちゃおっかな」は
どれだけ深い意味があったんだ

お前に言いたい
わがままかもしれないが、今ここで叶うなら
俺の涙に濡れた拳を握ってくれ、と


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2 Comments

kayumakayuma
2021/01/07
いつの日か再会できるといいですね。
kayumaさん、コメント有難うございます。再会の道が開かれていると良いですね。
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