新規登録 ログイン
女として生きてゆきます
kinoko0929 投稿 - 2020/10/17 更新 - 2020/10/17 0 Comments 616 Views
good投票
まだこの作品をgoodと言った人はいません
女みたいと言われつづけた
白い肌も高い声も苦しみだった
どこのクラスにいても浮いてた
黙ることと逃げることが鎧になった

自分らしくありたい 願うことは簡単
疎まれて のばした髪 切られて泣いてた

15才(じゅうご)で制服を脱いで
心と教科書を閉じた
あの日 駆けだした大通り
“ぼく” を捨てた “わたし”

秘密かかえて嘘をかさねて
好きな服も好きな人も諦めてきた
たとえ誰かのそばにいたって
わかりあえる人でなけりゃ独りと同じ

自分らしくありたい 願いつづけ数年
憧れて のばした髪 胸もと揺らした

19才(じゅうく)でふるさとを離れ
ヒールとスカートをはいた
あの日 飛びこんだ仲通り
“ぼく” を捨てた “わたし”

店の窓から声が聞こえた
笑う声や歌う声や喧嘩する声
同じ傷みをもった人たち
独りぼっちだった夜を灯してくれた

自分らしくありたい 願い叶う瞬間
嬉しくて のばした髪 ネオンに照らした

20才(はたち)で愛しさを知って
名前と性別を変えた
あの日 覚悟した裏通り
“ぼく” を捨てた “わたし”

自分らしくありたい 願いながら十年
気がかりで のばした髪 両親に見せた

15才(じゅうご)で身につけた鎧
20才(はたち)で畏れずに剥いだ
今日も踏みしめる仲通り
“ぼく” を捨てた “わたし”

0 Comments

Add a comment - 1000文字以内でご入力下さい。HTMLタグは使えません。
コメントを投稿するにはログインして下さい。初めての方は無料のユーザー登録を行って下さい。
ログイン 新規登録