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温もりまで吹き消しそうな木枯らしに
寄り添う二人の葉擦れの音
笑い合える尊さに抉られた胸の洞
まだ側に居られるのにおかしいね
焼き付いた街並みが落ち葉に埋もれる
夕暮れ あなたが青白く見えた
緩やかに拡がる夜の深間が
やけに似合ってさ 苦しくなる
「もし私が枯れ木になったら
あなたは切り株に腰掛けて
幾重も描いた年輪の上で
一度だけ泣いてね」
そんな冗談はやめてよ
惚けた先から引き攣る口元
分かってた
痩せた指を絡める 白樺のあなたが
シーツの中で消えてしまいそう
やわらかく冷えた感触を忘れない
そんな約束はしたくなかったな
「もし私が枯れ木になったら
あなたは切り株に腰掛けて
幾重も描いた年輪の上で
一度だけ泣いてね」
そんな冗談はやめてよ
惚けた先から引き攣る口元
分かってる
あなたの名前が
白んだ吐息になった
呼び掛けが消えてゆく度に
胸の洞が冷える
二人で描いたものを探しても
真っ白な形しか
残っていないよ
忘れ得ない日々に涙は止まないけれど
せめて笑うあなたを想う
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