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秋風が紫煙と混ざる朝
少しの肌寒さに違和感を覚えた
うわの空になった瞳に
夏と結んだ虹がかかる
秋晴れに身を委ねては
少し寂しそうな表情に顔色を伺った
いつかその虹が恋と呼べる日まで
そんなこと考えながら火を消して
溜息に君の名前を織り交ぜて
曇り空に似た表情が晴れ渡る日まで
商い中に惹かれた帰り道
人混みで立ち止まっても時は進んだ
冷たい風が洋服をすり抜けて
素肌に流れ込んでくる
夜半の秋に向かう繁華街でも
隣を歩く君を見失うことはなかった
いつも見惚れてるその瞳を僕は
可能な限り脳裏に刻むことにした
遠くからはハッキリと見えるのに
中にいると見えないそんな虹のように
きっと追いかけても掴めないから
僕は虹を追う人になろうとした
秋風が紫煙と混ざる朝
うわの空になった瞳に
気がついたら恋をしていた
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