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sabrina_no_hana 投稿 - 2020/08/19 更新 - 2020/08/19 0 Comments 322 Views
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妙に新しいガードレール
傍らに花束の赤い色
しずかに絶句していると
母が言う
「絵に描いたような雲やね」

フォークギターをつまびいて
名曲を唄うホームレス
噴水の水を浴びながら
あざやかに笑う子供たち
しずかに絶句していると
母が言う
「絵に描いたような雲やね」

-何者でもないということは
透明であるということなのか-
どこからともなく力の無い声
干からびてこぼれ落ちた
死にぞこないのしようがない涙
しずかに絶句していると
母が言う
「絵に描いたような雲やね」

-もし僕が死んだら、死体はどういう風になるんだろう。
お爺ちゃんみたいに、骨になって、水になるのかな。
水になって、なにも無くなるのかな。
なにも無くなるのかな。
その時僕は、どこかで笑ってるのかな-
しずかに絶句していると
母が言う
「絵に描いたような雲やね」

最果てを思うそんなヒマがあるなら
今すぐそのやさしさとやらを
ふりまいてみろ ふりまいてみろ
さっさとふりまけ おいどうした
やさしさを やさしさを
さっさとふりまけ ほらどうした
おい おい きこえるか
母が言う
「絵に描いたような雲やね」
「絵に描いたような雲やね」

-描かれてしまったような雲だ-
-描かれてしまったような雲だ-
どこからともなく力の無い声
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