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重工業で働く僕は。
Sken 投稿 - 2020/08/16 更新 - 2020/09/01 4 Comments 277 Views
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momoniku0422sabrina_no_hana
重工業で働く僕は
黙って黒い液体を棄てる
虹色に輝いた海の表面に
毎日どうなるのか考えるが

今まで何か起きたことはない

今まで何か起きたことはないから
何も変えずにいる
遠くでウミガメが
汚れて出てくるのを
ごめんと言いながら

食堂に並ぶ日替り定食
安い僕の給料
偉そうに振る舞う上司は
きっともう何も感じてない

今まで何か起きたことはないから

何かが起こるまで汚すんだ
喧嘩するまで罵りあった
君とのことを思い出す

あなたが見てないところで
私は頑張っているのよ。と
泣いていたことを思い出す

僕は重工業を辞めた
ラーメン屋で働いている
笑顔で帰るお客さんに
ありがとうございますと声を張る

でもお店の裏のマンホールを開けると
虹色に光るあいつがいる

変われそうで変われない
自分のことを思い出す

君は何も汚さずに生きている
そう思っていたけど
同じラーメン屋で働いているのだから

共犯者だ

今まで何か起きたことがないから
何も変えずにいる
今まで何か起きたことがないから
二人でいるように
今まで何か起きたことがないから
考えなくなってしまった

そんな僕らがいる
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4 Comments

果たして今の自分は、成長しているのか後退しているのか
それとも、必死に維持しているだけなのか。
それが良いことなのか、悪いことなのか。
働く者の葛藤が垣間見えました。
<今まで何か起きたことがないから
考えなくなってしまった

そんな僕らがいる>
の歌詞には、共感しかありません。

しかしこれだけ葛藤できる人は
なにかを変えようとしている。
だから諦めずに生きていこうと腹を決めているような。
この歌詞には、人間としての力強さを
個人的に感じました。
SkenSken
2020/08/19
サブリナさん、コメントありがとうございます。働いていると本当に社会の役に立っているのか、社会悪でありながら自分の暮らしを守っているのか分からない気がするんですよね。この主人公はそれに気づいたという第一歩を踏み出したんだと思います。最初の一歩って気づくことなんじゃないかと。
momoniku0422momoniku0422
2020/08/29
すごくリアリティーを感じて痛くなる詞だと思いました。
SkenSken
2020/09/01
みるく工場長さん、ありがとうございます。その主人公が語っているような世界観を書こうと思って書いてみました。色々な面から見ても起こり得ることを描いています。
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