水に何色を落とせば
黒に近付くだろう
辿り着けなかった
誰かが教えてくれたのに
空を覆う
雲を掻き集めて
ひとつの国を作ろうとした
知る由もない
知りたくもない
世界の涯 果てにて心を持つ
希望の残滓
貴方の残滓 は
本日未明、空を開け放ったけど
Whereabouts of the princess
消失点 重ねては眺めて
恨めしそうに笑って魅せた
切っ先に指を充てがう
滲む血漿を通して星を捜す
浮かんでは沈む
そのサイクルは酷く 孤独で
言葉にもならない
歪んだ愛情だけど
空を覆う
姿はまるで異形で
誰も彼も私を助けてはくれない
ひとりきりで
作った歌は主観だらけで
誰にも響かず滅んで逝く
希望の行方
貴方の行方 は
茜とも呼べる、赤い空に消えたけど
Whereabouts of the words
繰り返しては泣いて
口付けを待つ唇は乾いて
細く棚引く期待が枯れてしまう
滲む貴方を求めて星を捜す
「壊れないように
保っていた」
「無くさないように
守っていた」
写し鏡
跳ね返る私たちは
今もどこかで交差する
それでも
ひとりきりだと信じていた
輝く花
輝きたいと希う花
希望の残滓
希望の残滓 は
本日未明、空に溶けたけれど
ひとりで生きていくにはまだ浅くて
この水面は…まだ、浅くて
体が漬かりきるほどの
水位を私は見たことがない
それは唯一 貴方が私に遺した
祈りの様な希望の筏だから
絶望は水
希望は舟
貴方は旅立つ
星と雲を集めた楽園へ
2 Comments
2020/07/10
静かに語りかける幻想的な言葉達がとても心地よいです
2020/07/11
また他の作品もよければぜひ、いらしてくださいね
お待ちしております!