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瑞々しくて焦ったい、制服姿の初夏の片想いを描きました。感想いただけると嬉しいです。
mikazki 投稿 - 2020/06/15 更新 - 2020/06/16 1 Comments 295 Views
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yumemigati3
不意に心をくすぐるような 背中で感じるあなたの声
襟と首筋の隙間から 6月が私を通り抜ける
理由があるわけじゃないから 言葉にならなくて悔しいな
制汗剤で閉じ込めた熱が 吐息になって宙を迷う

緩く結んだスニーカーの奥で遊ぶ親指
浮かせたかかとで 後ろの気配感じているの

 等圧線を飛び越えて あなたの方から風が吹く
 汗ばむ指と指の間 少しだけ広げて夏を待つ
 あなたの手を待つ

いつでも追いついてくれるように 帰り道の歩幅は狭い
小さくこもりがちな語尾を
ひとつも聞き逃がさないように

ねえ 次の瞬間に声をかけられたなら
どんな顔して振り返ればいいのかな

 彼方の空 夕立の予感 初夏のイタズラ 嫌いじゃない
 描くのは軒下のシナリオ 急に口ずさむ恋の歌
 可笑しいけど恋してた

雨の匂いは気のせいで……

 等圧線を飛び越えて あなたの方から風が吹く
 汗ばむ指と指の間 少しだけ広げて夏を待つ

 放物線を描くように あなたの方から夏が来る
 急かすように揺れるスカート
 少し広がる私の歩幅
 遠ざかるあなたの声
 「また明日」振り向かずに 呟いた
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1 Comments

yumemigati3yumemigati3
2020/06/16
小説のようにきめ細やかな情景・心理描写が好きな感じです。
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