新規登録 ログイン
淡い失恋を、初夏の光と影に託しました。感想いただけると幸いです。
mikazki 投稿 - 2020/06/15 更新 - 2020/07/05 0 Comments 402 Views
good投票
まだこの作品をgoodと言った人はいません
柔らかな風 髪をかきあげたら
目の高さの葉末が凛と光る
はしゃぎ疲れた少女の赤い靴が
楡(にれ)の陰で しばし色を失くす

昨日と今日は別の世界
そうあればいいと何度も思った

 急ぐ鳥の群れが 空の青を切り裂く
 立ち止まる私の影を追い越してく

忘れることができないわけじゃない
思い出すもの それが美しいだけ

時計の針が12で重なる
そして離れる あまりに容易く

 霞む高架の向こう 飛行機雲が滲む
 スルリ 指の先を時が通り過ぎる
 恋はガラスのように 純なほど見えなくて
 散らばるカケラたちが 初夏の陽に輝く

 足音は空耳 佇むのは幻
 遠くのクラクションに 時はまた動き出す
 緑が増すたびに 過去が色づくのなら
 どこか違う場所で めぐる季節を待つ
タグ : [ 編集 ]

0 Comments

Add a comment - 1000文字以内でご入力下さい。HTMLタグは使えません。
コメントを投稿するにはログインして下さい。初めての方は無料のユーザー登録を行って下さい。
ログイン 新規登録