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口付けを、焼印を……
aozora0900 投稿 - 2020/05/31 更新 - 2020/05/31 0 Comments 380 Views
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あなたがはてる
その間際に
口付けをあげる


そうあたしはブランドだから
あなたを飾るイイ女
金銀宝石よりも
上質な装飾品

清楚な美人より
茹だるくらいアツいほうが
好みでしょ
それじゃ三回目もよろしく

街を歩くあなたを
彩る極彩蝶
誰もが視線を飛ばすのは
この焼印

月が赤らむくらい
派手なナイトショー
あたしが鳴けば
あなたも吠える難破船

朝なんてない
時計さえ酔ってゆく
所詮 何かの奴隷の
道具同士 今宵も

口付けを……
あたしの印を付けてゆきなさい


そうあたしは罪な女だから
あなたには高価すぎる
似合わない財布ほど
滑稽なものなんてない

賢明な魔女には
安い毒は効かないもの
いつからかあなたは
ただの男になってしまったわ

街を歩くあたしを
彩るブランド
誰もが視線を飛ばすのは
赤い焼印


太陽が冷めるくらい
退屈な戯び
温度の無いふれあい
心踊らないダンス
どうやら今夜が最後みたい

あたしは別の誰かのブランドになる


星が羨むくらい
眩しいブランドに
あたしが笑って
あなたは泣いている

朝なんてこない
あなたとのお別れは今
後悔なさい それでも
悲しみをひた隠すあなたに

口付けを……
焼印を……
今から
あたしのジュエリーにしてあげるわ
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