愛する人に傘をとどけに

kinoko0929 投稿 - 2020/05/21 更新 - 2020/05/28 3 Comments 767 Views

鈍色の空と薄墨の舗道
通り雨が街並みを染めてゆく
藍色のあなたの傘を手に
駅へ急ぐ私裾を濡らす

国道を越えて交番を曲がる
ターミナルは溜息であふれてる
バス停の列からまた一人
痺れきらし夜に跳ねをあげる

Rainy どうか強く降って
はやる心そっと静めて

驚かせるつもりだった
喜ぶ顔見たくなった
浮かれながら傘をまわした
週末まで待てなかった
おかえりって言いたかった
会いたくて会いたくて
来てみた

1時間待って 5本目の電車
あなたたちが改札を抜けてくる
あの女(ひと)はあなたの後ろから
あたりまえのように袖をつかむ

Rainy どうか強く降って
頬を伝う涙流して

気づきもせず通りすぎた
離れていく背中見てた
水溜まりに傘を落とした
場違いだと気づかされた
とうに雨は上がっていた
おかしくておかしくて
泣いてた

こんなにも近いそれなのに遠い
そばにいたいいられないバスがゆく
この街で暮らすと告げたとき
息を呑んだあなた闇に浮かぶ

Rainy どうか強く降って
愚かすぎる私叱って

驚かせるつもりだった
喜ぶ顔見たくなった
浮かれながら傘をまわした
週末まで待てなかった
おかえりって言いたかった
会いたくて会いたくて
来てみた

気づきもせず通りすぎた
離れていく背中見てた
水溜まりに傘を落とした
場違いだと気づかされた
とうに雨は上がっていた
おかしくておかしくて
泣いてた

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