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靴下になったつもりでお詠みください。
shawa7 投稿 - 2020/03/29 更新 - 2020/04/04 1 Comments 89 Views
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ぼくは紺色のくるぶしソックスだ
高校生のサキ(仮名)のタンスあるいは 靴の中に住んでいる
今は春 なんだか肌寒いまだ 春
ぼくは そこらへんの靴下だから 当然 目はない 鼻もない
けど サキの温度とか サキの気持ちとかイライラとか
それは感じることができるんだ 

「お母さん靴下どこ?遅刻しちゃうじゃん」
「たんすにあるでしょ」

ぼくは ある夏の日 たんすから逃げた 一度サキのぼくへの考え方に対立したのだ
冬は足を温め、日ごろは校則に則る。
ぼくだって自由になりたい、靴の中で踏まれくたくたになる毎日から。
 毎年靴下の匂いがすごくなる 気だるい夏。
同じたんすのなかの黒ソックス君が 忽然 消えた
いつもとなりにいて 臭い黒ソックス君
「マジ今月やば。お金たりないよ」
そんなサキの言葉は どきどき聞こえた。
そう黒ソックス君は 見知らぬ土地へ見知らぬ男の家で暮らすことになった
そう黒ソックス君は売られてしまったのだ

ぼくらソックスにとって 男の家で暮らすことは緊張がえぐり出る
そうサキの やさしいエッセンスが溶けたソックスは
これから複雑な感覚に揺さぶられ さわやかな汗でもない 雨がしみ込むでもない
オスの媒体が ぼくらソックスの皮膚にしみ込むのだ
 
季節は春 なんだか肌寒い 朝 
穴があいて からっ風がはいって 寒いよ。
寒くても 
踏まれても
臭くても いい
いつものサキでいい
どうか災厄に浸さないでくれ
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1 Comments

tamayama3tamayama3
2020/04/04
面白くて一気に読んでしまいました。
ありがとうございました。
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