指を擦り合わせるのは
言葉に詰まった君の癖
揺らぐ目が私を見た
強張った口が開いて閉じた
跳ねる喉仏まで
愛おしく感じて
抱き締めるまぼろしに
かさなれず拳を握る
日差しは苦手だって
二人で選んだカーテンに
割り込む白過ぎる光は
聳え立つ壁みたい
どちらともなく目を逸らしたら
まだ愛していたいなんて口にしたくなる
こんな晴れた日に明かりも点けず
私たち何をしているの
今すぐ出掛けようよ ほら
そんな軽口も上滑りで
きっと引き攣った変な顔の私を
せめて笑って そんな顔しないで
二度とここには来ないの
もう私は要らないの
幸せじゃなかったの
もう一緒に居られないの
こんな時でさえ
きらきらと光る瞳を
見つめ続ければ
優しい君は言葉を探して
もう少し思い出で部屋を満たしたい
俯いてしまえば君の指先が
こんな晴れた日に明かりも点けず
私たち何をしているの
今すぐ出て行ってよ 私の知らない所へ
背を押し出した掌に幸せがこびりつく
振り向いた君の泣き出しそうな顔に
さよなら 愛してる
溢れて ドアを閉じた
3 Comments
2020/03/28
視線がフォーカスされて、「私」がどんな思いで見つめているのか感情移入されます。
別れのシーンがせつなく伝わります。
2020/03/31
お別れは悲しい。本当に悲しい。
2020/04/22