作詞コミュニティ Gunjo Lyrics

彼女はただ、海になると言って
それから七年、一度として
荒れ狂うことも、波間の煌めきも見せずに。
「海にはなるとは言ったけど、風は知らないのよ」と
笑った顔がただ、ゆらゆら揺れているだけで。

彼女にとって、私の中では
嵐にだって竜巻にだってなれると思っていたのに。
同じような春風が、優しく、優しく肩を撫でてきて、
それでもいいやなんて思ってしまったんです。

そうか、もうすぐ春なんですね。
花びらを浮かべたら届くんですね。
始まりが終わりに似ているように、
自転車のない街のサドルに腰掛けるように、
棘の17を過ぎてその棘を目一杯伸ばした時のように、
じゃんけんのパーのように、
言葉以外の全ての言葉のように、
貴方がなりたかった海のように。

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