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pengin_ 投稿 - 2019/10/26 更新 - 2019/10/26 0 Comments 155 Views
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幽霊街の風景にある影が日焼けして
ほんのり暖かい色になっていた。
映画館の看板は今や外され
薄い紙の一枚になり、
誰でも秘密を共有しながら
「本当に嫌いなのは誰だ」遊びをしている。
宇宙からの瞳。
目が合えば近付き遠ざかりながら
半世紀前と同じ夢をより鮮明に映している。

子どもの頃はどうだ?
有れば憂いて、無ければ嫉妬し
建前に合点すれば我慢を強いるが良しとする。
大声を出せる人は自然に声の出し方を学ぶ。
恥じて出さねば恥を重ねる。


雨の音に敏感になってる。
夕方の時間に敏感になってる。


河川敷での会話が聞こえてこない。
心を傾けた後で熱を吸われないように
唇を閉じたまま人前で重ねる。
満たされない欲求の三番目を見つけて
凍えそうな誰かの足音がする方へ向かう。


雨の音に敏感になってる。
夕方の時間に敏感になってる。


可愛い子はみんなこうして死んでしまった。
それ自体が眼鏡に映ったあの子を
きっと折れた足首をさすりながら屋上へ向かう。
何度も洗ったお気に入りの白い服が
旗のように翻り遠くの誰かが
きっと見ている。


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