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なし
sabrina_no_hana 投稿 - 2019/09/12 更新 - 2019/09/14 1 Comments 507 Views
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tamayama3
大いなる砂漠の中心で
我々は逆光に彼のシルエットだけが見えた
まるで地平線をつれて
太陽を散歩させているかのようだった
あれは誰だ?一体誰なんだ
彼はなりふり構わず
空を打ちやぶる
そう、彼の名は辰吉丈一郎
一心不乱に木端微塵
一心不乱に木端微塵

あらゆる欲望はとけて
体から滴り落ちる
瞳にうつされるのは
灰になることなき燃える森
後ろ髪を結ったその姿は
いかにも
いかにもそれは汗馬であった
千里を駆けて尚
振り返ることなき汗馬であった
人々のアゴは砕かれて
それでも言葉は紡がれてゆく
彼だけが明日のシクラメンを知る
辰吉、右だ!右がくる!
辰吉、左だ!左を打て!
ボディだ!そうだ!
テンプルだ!くそ!

たかが10分弱の情熱が
社会学者の80年を越えた
コクリとひとつ頷けば
歴史の山がその重い腰をあげる
あらゆる欲望はとけて
体から滴り落ちる
瞳にうつされるのは
灰になることなき燃える森
後ろ髪を結ったその姿は
いかにも
いかにもそれは汗馬であった
千里を駆けて尚
振り返ることなき汗馬であった
辰吉、もういい!それでいい!
辰吉、ああ、辰吉!
まだ立ち上がるというのか
そうか辰吉、KOだ!KOでいけ!辰吉!KOでいけよ!
一心不乱に木端微塵にする
一心不乱に木端微塵にされる
彼だけが明日のシクラメンを知る
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1 Comments

tamayama3tamayama3
2019/09/14
なんか、グッとくる。
ドキュメンタリーフィルムのようです。
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