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むっしあっつい
kinako_09 投稿 - 2019/07/20 更新 - 2019/08/20 3 Comments 322 Views
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yumemigati3tamayama3
1A
君には僕になってほしくなかった
誰もいない 部屋の隅で
間抜けな顔だろうな
こんな腫れた目で
青空なんて 仰げないよな

1B
ひりつく肌に 張り付く汗が
早く走れと急かすまま
一番を探していた

1サ
ああ 夏がきた 夏がきてしまった
どうやら時間は戻らぬようだ
このテンポの人生だ その程度の人生だ
じりりと喚いた蝉が 僕に焼き付いた
部屋の進まぬカレンダーを めくった





2A
君には僕になってほしくなかった
声の出ない 心の底で
腑抜けた僕だからな
どんな問いならば
煩い熱を 冷ませるのかな

2サ
ああ 夏がきた 夏がきてしまった
どうやら時間は戻らぬようだ
このテンポの人生だ その程度の人生だ
じりりと喚いた蝉が 僕に焼き付いた
部屋の進まぬカレンダーを めくった

C
僕のそんなある日の夏
暑い暑い ある日の夏
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3 Comments

tamayama3tamayama3
2019/07/20
お久しぶりです。

暑さにも現状にも苛立つ「僕」のうだる様子がとても伝わってきます。
きなこさんは助詞ひとつで機微を自在に操る魔法使いですが、今回は助動詞の「た」が効いていますね。
“夏がきた ” に “〜てしまった” と後悔を重ねる事で焦燥感も諦念も
両立させる魔法。
「僕」の置かれた現状を
“部屋の進まぬカレンダー”で理解させる手口もニクい。
yumemigati3yumemigati3
2019/07/21
君には僕になってほしくなかった

この一行目でそのまま世界観へ引き込まれますね。
玉山さんも仰っていますが、部屋の進まぬカレンダーが何を意味しているのか、想像が膨らみますね。
kinako_09kinako_09
2019/08/20
玉山さん

今回も丁寧な感想コメントありがとうございます!
怠惰な自分を憂いながらも、夏がさらに怠けさせてしまう状況を、上手く書き表せていればいいなぁと思います。
魔法だなんて言葉が使われていますが、確かに助動詞は世界観を構築する魔法と言えますね!素敵!


さくさん
この1行目、とにかくキャッチーにしたいと思って考えた文字列ですので、気に留めていただけて嬉しかったです!
毎度の如く思いますが、自分の書いたものを深く考察していただけるほど幸せなことはないですね。
いつもありがとうございます!
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